一般に色々な整体や指圧等は、治療する処と捉えられており、痛いところが治ればそれで良しとするのですが、本当にそれでいいのでしょうか?

痛みが出る(あるいは検査で異常が見つかる)というのは、歪みが大きくなって、ある限度を超えたから表面に出た(検査で数値が異常になった)のであり、それ以下の歪みや異常はそのまま存在します。

通称野口整体”( 現、「公益社団法人整体協会」)の創始者である野口晴哉(はるちか)氏は、その著書「治療の書」の中で、「現在の私は整体指導をして治療は捨てたのであるから」と述べていますが、本人が異常を感じて訴えたり、検査で何か見つかったときに、初めて手をつけて、その病気の後を追いかけるようなことをやっていては、いつまで経っても整った体になどなれるわけがありません。

常にコンディションを整えて事に臨み、学習でも仕事でもスポーツでも、あるいはその他の諸々のことを成す時にも、頭が働き素早く決断ができ、思うように体が動いて、充実感と満足のいく結果が得られるようにすることが、本来の整体の役割です。

実際「整体協会」は厚生労働省(医療・治療)の管轄ではなく、文部科学省(体育)の管轄になっていることが、それを表しています。

身体を整えることで自分らしい身体となり、本来の力を発揮できます。
例えば腰に弾力がないと、思ったことを実行に移せないし、特にL3(腰椎三番)の弾力がないと、決断ができません。
一般に歳をとると、何かをしようとしても、熟慮して消極的になり、結局やめてしまうことが多いのも、腰に弾力がないから、前に進む決断ができないのです。

また腹部第四(左の肋骨の下)が硬いと、やろうとした事はたいてい失敗に終わります。
偶然ではありません。

身体を敏感にすることが整体の目的であり、単に痛みを取るという、表面の一部だけの始末をすることではないのです。
痛いときだけ整体にかかり、後はほったらかしでは、敏感で整った身体など望むべくもありません。

身体というものは、どういう状態であっても、後頭部と骨盤がしっかりしていなければ、良い状態とはいえず、本来の力は発揮できません。
あとは、敏感かそれとも鈍いかです。

またB,,(腹部第一~鳩尾、第二、第三~丹田)が、それぞれから離れた状態になるほど、本来の力を発揮できなくなります。

整体することは、仕事や勉強、またスポーツやレクリエーションにおいて、自分らしく力を発揮できるようにすることであり、単に治療するという事とは(多少重なる部分があるとはいえ)別のことです。

誰でも経験があると思いますが、体調の良い時は集中でき、短時間で多くの事がこなせるのに、不調の時はなかなかはかどりません。
整体したからといって、もちろん常に絶好調というわけにはいきませんが、好調で集中できる時間が長くなるので、思ったことが行動に移せ、予定通りにこなせる割合が増えるので、達成感も増します。

又、整体を治療という概念でとらえていると、子供は何か怪我をしたり頭痛など何処かが痛かったりしていないと、用がないと思われがちですが、成長しつつある子供にこそ整体は必要です。

一番大きな問題は打撲で、強い打撲や大きな打撲は、発育不全をもたらします。
早い段階で処置を講じないと、その子の持っている伸びるべきものが、伸びないまま終わってしまいます。
遅くとも2728歳の、成長が止まるまでに処置をすべきです。
23
歳くらいの女性で、打撲の処置をしたら、その後身長が4センチ位伸びた人がいますが、成長の止まった後なら、当然起きない現象でした。

野口晴哉氏も、「打撲は癌より怖い」という言葉を残していますが、きちんと処置をしない限り、一生影響し続けます。
ついでに言えば、最近は予防接種やワクチンが当たり前のように行われていますが、特に麻疹・おたふく風邪・水疱瘡は、成長の一過程であり、本来は罹って経過すべきものです。
きちんと経過すれば、皮膚や呼吸器、生殖器、腎臓が丈夫になります。
体が整っていれば、いずれも経過がより軽くてすみます。

あと最近気になる事は、眼鏡をかけている子供が多いことです。
たいていは近視(近眼)だと思いますが、近視であるという事は、頸椎・胸椎・腰椎の上部が硬直しており、また肩甲骨の動きもスムーズでないということとイコールです。
目だけの問題ではないのです。
大脳系や呼吸器系、神経系や消化器系など、色々なところが正常ではないということです。
私自身が小学校5年生の頃から眼鏡をかけていたので、特に気になります。

せめて活元運動をして、目に愉気(ゆき)することを知っていれば、半分位の子供はメガネが不要になるのでは?と思いますし、できれば定期的に整体を受けてくれれば、さらにメガネの要らない子供が増えるのにと思います。
視力が回復するだけでなく、勉強やスポーツで効率が上がり、成績が伸びるのは言うまでもありません。

私は小学校6年生の時、既に視力表の1番上のマークや文字が見えず、メガネの度数がどんどん上がっていきましたが、中学校3年生の頃ある本を読むと、近視の強い人が、ある日目から出血をして失明したことが書かれてあり、とても怖くなりました。
それで高校に入ってからは、本を読んだり勉強することが『自分も目から出血して、失明するのではないか?』という恐れから怖くなり、当然成績も下がりました。

それがひと月に2度必ず受けた整体と目への愉気、そして活元運動のお陰で、コンタクトレンズの度数も8.00から4.00と、16段階も良くなり、もちろん失明の恐怖などなくなった事は、HPの「活元運動体験談」に記した通りです。

白内障と緑内障の専門の眼科の先生が、「子供の時に近眼の人は、たいてい歳をとって緑内障になるし、強度の近視であれば、ほぼ100%緑内障になります」と言われましたが、重大な問題です。

私自身活元運動をする様になって、『中学生の頃にこれを知っていれば、近視であんなに悩むこともなく、嫌いではない勉強ももっとできたのに!』と思いましたが、それでもこの体操を知って身に付けているだけ、幸せであると思います。