私自身の初めての活元運動は、23歳の時、(社)整体協会の勉強会に、友人のN君と参加したのがきっかけです。
その一年位前、別の友人から「身体が勝手に動いて、自動的に身体を整えてくれる、不思議な体操があるらしい」という話を聞き、『どんな体操か、ぜひ知りたいものだ』と思っていました。
N君が、それを教えてくれる会があると聞きつけて、二人で会場の(山口県)宇部市の福祉会館に向かいました。
日にちがいつだったか覚えていませんが、確か日曜日だったその日の、午後1~3時に開かれた「活元会」は、(社)整体協会・山口県支部長のI先生(整体指導者)主宰で、参加は自由、会費は千円でした。
二人で出掛けると、一面に畳が敷かれた広い会場には、数十人位の人が来ており、自分とN君の様な初めての者は、10人程らしいです。
I先生の、小さなホワイトボードを使った講義が始まりました。
(ホワイトボードに書きながら)「胸椎4番(D4)は、心臓に関係があり…」という様な話の後、3~4人で組になって、実習が始まります。
「扁桃腺が腫れたら、足の裏の此処を…こう押さえて…」
全くの素人の私は、する側になったり、受ける側になったりして、冷や汗をかきながら時間が過ぎていきました。
残りあと30分ほどになって、「では、活元運動をしましょう」と、I先生。
いよいよ、1年間待ちに待った活元運動です!
詳しい解説はなく、直ぐに3つの“準備運動”をすることになりました。
(全て息を吐きながら行いますが)
正座して、上半身を目いっぱい前屈すること3度。
次に、やはり上半身を、左右に捻ること3度ずつ。
最後に、肘を肩の高さ迄挙げて、思いっきり胸を反らすこと3度。
そして、掌を上向きにして膝の上に置き、瞑目してリラックスします。
これで、身体が(力を抜いているのに)動き出すのだと云うのです。
欠伸やくしゃみが勝手に出るように、あるいは口に食べ物を入れると、食道から胃そして腸が、自動的に蠕動運動を始めて動くように、自動的に動き出すというのです。
医学的には、‘’錐体外路系の運動‘’だということです。
『動いて欲しいけど、動くかなぁ?…』そう思いながらじっと待ちますが、1分経ち2分たっても身体は動き出しません。
動く気配や物音で気になり、目を少し開けて周りを見ると、座ったまま上半身を回転させている人、仰向けになって脚をバタバタさせている人、腕を上げて踊るように動かしている人…様々です。
驚きの光景です!
この運動について多少の予備知識がなければ、何かの宗教かと思うのではないでしょうか。
『あんな風に動くのか…(自分も)動かないかなぁ…』と思いながら、また目を瞑ります。
然し、動きません…
そのうちI先生が、「さぁ、終わりにしましょう」と言われます。
2時間の「活元会」は、お開きになりました。
早速N君に「動いたぁ?」と聞くと、「いや、動かん」と言うので、「動かんよなぁ」と私。
『1年間待ったのに…』がっかりして家路に着きました。
然し、会が終わって2時間経ったちょうど5時頃、二階の自分の部屋で、もう一度やってみたくなりました。
なにしろ3つの準備運動は簡単で、一度聞いたら覚えられますから。
正座して、3回息を吐き、上半身を左右に捻り…肘を曲げて上体を反らし…瞑目して、膝に掌を上向きにして置きました…
すると間もなく、力を抜いているのに、上半身が(天井から見て)反時計まわりに、グルグルと回り始めました!
気のせいなどというものではない、はっきりした、大きな動きです!
しかも心地良いのです! 例えるなら、ずっと前屈みになってデスクワークをして疲れた後、身体を起こし、両手を思いっきり伸ばして上体を反らしたときの、あの快感に似ています。
その心地良い感覚が、動いていてずっと続くのです!
会場では動かず、がっかりしていたので、本当に嬉しくなりました。
時々いわゆる健康雑誌に、この活元運動のことが図解(写真)入りで紹介されていますが、聞いてみると大抵の人が、「本を見て、やってみましたが動きませんでした。何度か試みたけど動かず、それっきり忘れていました」という様な返事です。
やってみて「動きました」と言う人が、今まで2人だけいました。2人とも女性でしたが。
又「日本野鳥の会」の創立者中西悟堂さんは、著書の中で、(幼少の頃お世話になった寺で)「ある時いつものように滝を浴びていると、突然手足が動きだした。驚いたが動くに任せた。すると後で肩や腰の張りが取れて、爽快になった」と書いていますが、活元運動に相違ありません。
私の場合、会場では動きませんでしたが、沢山の人たちの‘’気‘’を貰ったのだと思います。
電車の中で、誰かが欠伸をするのを見ていると、それが移って今度は自分が欠伸をするようなものです。
(N君も、その後私と同様に動き出しました)
1時間以上もその運動が続いた途中で、(部屋は2階なので)下から母が夕飯に呼ぶ声が聞こえます。
然し私はあまり食欲もなく、返事だけして運動を続けます。
しばらくして、『まぁ、少し食べるか』と、1階に降りて少し食べましたが、直ぐに全部吐き出しました!
まるで身体が、「そんなもの、今は要らん」とでも言っている様でした。
上半身の回転運動がいつの間にか終わってA、『終わったのかな?』と思っていると、まもなく右腕が前後に振れる運動が出てきました。
正確に言うと、右の後から左の前へ、斜めに腕を振る運動です。
これが又、いつまでも続くのです!
※ 誤解のないように断っておきますが、運動で身体は勝手に動くのですが、意識ははっきりとあるのです。
腕を振る運動がしばらく続いた後止まり、ぽかんとしていると今度は、首を前後に(というか上下に)振る様な運動が出てきました。
首の後ろの筋を伸ばすように、こっくりこっくりと首を振る運動です。
これはやってみると分かることですが、活元運動をしていると、体温が1~2℃位上がります。
(自分では力は抜いているのですが)だいぶ動いて汗もかいたし、家族は皆お風呂を済ませたようなので、下に降りてお風呂に入りました。
(活元運動は止め方があり、途中でいつでも止めることができます)
体を洗った後湯船につかってリラックスしていると、またひとりでに首を振る運動が出てきました。
気持ちは良いのですが、首を振るたびに顔がお湯にバシャッバシャッと浸かります。
『困ったなぁ…』と思いましたが、『そうだ、自分が最後だから、少し位お湯が汚れても平気だ』と考えて、木の椅子を湯船の中に入れました。
その上に腰かけると、座高が上がるので、気持ちよく首を振っても顔はお湯に浸かりません。
『よい事を思いついた♪』と、又首振り運動を続けましたが、しばらくして運動が止まりました。
『次の(別の)運動が出るのかな?』と思ってポカンとしていましたが、1分経ち2分たっても動かないままです。
『(活元運動が)終わったのだ』と思い入浴を済ませ、時計を見ると、(午後)11時を15分くらい回っていました。
午後5時から11時過ぎまで、約6時間動いていたことになります!
ここで話が少しそれますが、実は私は、小学校5年生の頃から不眠症で、晩の10時や11時に床に就いても、12時にならないと眠れないのです。
しかも朝6時頃には目が覚めますが、頭はもやっとした感じで、すっきりしません。
中学校の修学旅行は4泊5日で九州北部を回りましたが、初日はバスの中で寝ている者はいませんでしたが、2日目以降は約半数の者が寝ています。
しかし私はコクリとも出来ません。
高校の修学旅行は、3泊4日で四国一周でしたが、状況は同じです。
バスの中で眠れませんし、宿で就寝時間になっても寝付けないので、同じように眠れない友達がごそごそしているのが分かりました。
その為でしょう、後頭部から首の後ろにかけて、何かがペタっと、常に張り付いている不快な感じがするのです。
首をぐるぐる回したり、色々やってみましたが、その不快な貼り付き感は取れませんでした。
それが、活元運動が出てから1週間経った頃、あれほど自分を悩ませてきた首の後ろの貼り付き感が完全に取れて、すっきりしているのです!
活元運動のあと何日か、だるかったり眠かったり、あるいは濃い尿が出たり等、排泄作用が盛んになるのですが、そんな途中経過も終わり、頭がクリアになっているのです!
その日以降、不眠症とは無縁になり、寝台車でも何処でも眠れるようになりました。
以前は半分食べるのがせいぜいだった天ぷらも、(胃腸など活元運動で内臓も丈夫になるので)平気で食べられるようになり、コンタクトレンズの度数も8.00が、16段階度数の弱い4.00まで回復しました(もちろん恩師の整体を受けていたことが大きいですが)。
恩師も他界して十年以上が経ち、お弟子さんも結婚・出産して、信頼できる人に身体を診て貰うことが出来ない状況ですが、(筋トレやストレッチもやってはいますが)活元運動や行気法をして自分の身体を整えています。
※ これまでたくさんの人に活元運動をお教えしてきましたが、この体操は、公益社団法人「整体協会」の前身である「自然健康保持会(?)」の創立者であり、いわゆる“野口整体”の創始者でもある野口晴哉(はるちか)氏が、人間の中にこういう潜在能力があるということを発見し、昭和43年以降は、一般にも公開してきたものです。
公益社団法人「整体協会」が、組織としてこの運動を広める活動を行っていますが、解説書の「健康生活の原理~活元運動のすすめ」は、整体協会の出版部である「全生社」で、¥540 で販売しています。
ISBN番号がないため、Amazonなどでは(多分)手に入りません。
真の意味で“健康”で“整体された身体”とは、どんな状態をいうのでしょうか?
それは“敏感な身体”であり、素早く、また概ね正しい決断ができる状態です。
さらに、思ったことをすぐに実行できる状態でもあります。
ここで一つ、大事な事実を確認しておきたいと思います。
それは、『健康になったら○○しよう』と思って、実行しないでいる人は、健康になっても実行できないということです。
たとえいま、身体に不調や不具合があっても、できる範囲で実行する人こそ、“健康な身体”になったとき、いっそう飛躍できるひとである、という事実です。
何かをしない、或いはできない理由を探すことは簡単です。
しかし、置かれた状況のなかで、常に全力で前向きに頑張ることこそ大事なことです!
真の意味で“健康”で“整体された身体”なら、それができます!
本当に身体が整えば、気合がみなぎり、行動が変わっていきます。
自分にも、また周囲の人にも、それは分かります。
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